ファンキー末吉とその仲間達のひとり言
----第118号----
2006年7月20日
ワシが音楽を担当した映画、「瘋狂的石頭(Crazy Stone)」は空前の大ヒットとなった。
公開して2週間足らずで興行収入は1000万元(1億5千万円)を超え、
ヒットすると必ず海賊版が発売されるので、その前にとばかりDVDが発売され、
「見たよ」と言ってはいろんな友人から電話をもらい、
音楽の評価が非常に高いので、ネットでは常にそれが話題となるのだが、
別にサントラが出ると言う話もなく(ほんま、権利関係ってどうなっとるんでしょ・・・)
サントラ盤がないんだから仕方なく
DVDから切り取った音をネットに上げてダウンロードさせる輩まで現れる始末。
音楽が評判になるとよくある話で
見も知らない他の映画会社から突然電話がかかって来たりする。
「もしもし・・・映画音楽家のFunkyさんの電話でしょうか・・・」
・・・(それはちと違う!!!)・・・
「映画関係者の友人から紹介されて電話したんですけど、
この秋クランクインするうちの映画の音楽を是非お願いしたいんですが・・・」
8月にはよさこい祭りで高知に帰るし、その後は子供達連れて戻って来るので、
9月ぐらいから製作開始だったらちょうどいいなあ・・・
一応やることにして音楽製作費を聞いておく。
○○元・・・
「お前ら!俺の値段まで映画関係者から聞きやがったか!!!」
と思わざるを得ないほどまた安い値段じゃが、まあ楽しそうだからいいか・・・
そんなこんなしているうちに
北京に住む北朝鮮オタク(略して北タク)の友人から電話が来た。
「ファンキーさん、この前言ってた北朝鮮のビザ取れましたよ、25日に出発します」
酒の勢いで、一緒に北朝鮮に行こうと盛り上がってたのじゃが忙しくて忘れていた・・・
こちらでは北朝鮮渡航のビザは比較的簡単に取れるそうなのである。
後ろめたい渡航はイヤなので、北朝鮮政府に
「ドラムによる音楽交流」
とかわけのわからない正式な申請をしてたら今になって認められたらしい。
話に聞くと日本(と言うか世界中)はテポドン発射で大騒ぎである。
よりによってこんな時期になんで北朝鮮側は
ワシのような人間をなんで正式に招聘するのかまことに不思議である。
北タクは何度も北朝鮮に行っているので顔パスで、
監視の目的も兼ねた案内人も既に仲の良い好朋友なので、
どこかの音楽学校でドラム合戦をするとか、
そこの歌舞団とアリランをロックアレンジで一緒に演奏するのも自由自在らしい。
それはそれで楽しいかも知れんが、問題はこの「時期」である。
嫁は「行かないで」と言ってワシの足にすがりつき、
母は「行くなら親子の縁は切るぞ」と言って泣き喚き、
子供達は「おみやげは金正日のバッジが欲しい」とだだをこね、
中国の友人達は「とりあえず先に墓を立てとくからな」と涙ぐみ・・・(全部ウソ!)
北タクの話によると、携帯電話はとりあえず入国の時に没収されるし、
インターネットは大使館街の決められた場所じゃないと出来ないらしいし、
それでもホテルは国際電話も通じるし、
正規な渡航なのでカメラもビデオも自由だと言うので、
まあ29日の帰国まではメールの返信も出来ないかも知れませんが、
せっかくなんでこの時期の北朝鮮の子供達と交流旅行して来ますわ。
まああのお国柄なんでまた土壇場で渡航禁止と言うこともありうるけどね。
まあ問題は25日までに全ての仕事を終わらせることである。
何かあったら25日までにメールちょうだいね。
ほな。
ファンキー末吉