ファンキー末吉とその仲間達のひとり言
----第136号----
2008/04/01 (火) 20:11
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ブータン王国の話
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嫁の実家にいた時ずーっと関西ローカル製作のテレビ番組を見ていた。
非常に面白い!
くだらないのからためになるのからいろいろあるのだが、
とある番組のいちコーナーでワシは画面にくぎ付けになった。
番組の司会者が素朴な疑問を番組で掘り下げてゆくのだが、
その日のテーマは「ブータン王国初の総選挙」。
台湾の総選挙が大きな話題になると言うのならわかるが、
新聞ももの好きやのう、なんとマイナーな事件を取り上げとるのう・・・
と思って調べてみたらこれが物凄い!
と言うコーナーであった。
ブータンと言うのはヒマラヤ山脈に面した
人口100万人足らずの小さな国だそうだ。
産業と言えば
その急斜面を利用して発電した電気を近隣諸国に売っているぐらいで、
基本的には農業を営んでやっとこ生活しているであろう小国である。
政治形態は王様による統治が100年以上続いている王国で、
その王様がとにかく国民に愛されていて、
国民全てに「統治されている」と言う意識がないのだと言う。
そこの国王が突然言い出した。
「民主化するぞ!」
ところが国民誰もがそんなことを望んではいない。
それを国王が全ての国民をひとりひとり説得してまわった。
「権力が一箇所に集中するのはよくない。
今はよくても、もし統治者が悪い人間だったらどうなる?」
と・・・
国民は「敬愛する国王様がそう言うのならば」と言うことで、
ここに初の総選挙が行われたと言うことなのである。
凄い話である。
どっかの国の権力に固執している政治家に見せてやりたい。
この国王はもの凄い考え方を持った人で、それは、
「国にとって大事なのはGNP(国民総生産)ではない、
GNH(国民総幸福量)こそが最も大切なものである!」
と言うものである。
そして国勢調査の最後に書かれている
「あなたは幸せですか」
と言う質問に、
国民全員の何と97%の人が「幸せです」と答えると言うから驚きである。
インターネットもテレビ放送も
「まだいらんじゃろ」
と言うことで整備されてないし、
たったひとつあった信号も誰も使い方がわからず、
「やっぱこれもいらんわ」
と取り外されたと言う。
外国との交流は制限されており、それは
「観光収入よりも文化や伝統や宗教を守る方が大切だ」
と言う考えに基づいてのことである。
その宗教と言うのがここの国教である「チベット仏教」。
これでワシは何となく全てを理解することが出来たような気がした。
去年訪れたチベット自治区、
そこの最高僧侶が庶民と同じく質素な生活をしていたのと同じように、
ここの国王も庶民と同じ普通の住居に住み、
修行に生き、ひたすら世の幸せを祈る、そんな「生き方」なのである。
そして精神世界の頂点のようなこの国が「友好国」としている国が何故か日本。
物質文化の極みなような、
「幸せですか」に何人の人が「幸せです」と答えられるかわからんような、
そんな日本が何故だかこの国が選んだ「友好国」である。
その理由にはひとりの日本人の存在が大きいと言う話を聞いた。
とある日本人がブータン王国に半生を捧げ、
島国で培った急斜面での農業のやり方を伝授したのだと言う。
彼はもちろん日本では知る人もいない無名人だが、
ここブータンでは知らない人はいない英雄である。
似たような話を内モンゴルで聞いた。
とある日本人が半生をここに捧げると決意し、
一本一本植林したその砂漠は、今では森になっていると言う。
凄い人たちもおるもんじゃ。
中国ロックのために半生を捧げ、
北朝鮮にまでロックを伝えようとするアホなら知っている。
「ワシは幸せじゃ」と毎日酒を飲んでいると言うからブータン国民にちょっとだけ近い。
このアホがほんまもんになるためには、
やっぱ一生それをやり続けることなんやなぁと思った。
いやほんま。
世界は広いでぇ。
ファンキー末吉