ファンキー末吉とその仲間達のひとり言
----第138号----
2008/06/10 (火) 6:00
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ところ変われば募金も変わる
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前回のメルマガで四川省大地震へ何か援助が出来ないかと言う話を書いたら、 やっぱそんなことを考えてる人は多いと見え、いろいろメールを頂いた。
とある人は何とか被災地の子供たちのために文房具を送りたいと関係者に相談したら、
・新品を送るとピンハネされる ・政府や赤十字みたいなところに送ってもやはり殆どがピンハネされる ・ということで、中古の文房具を信頼の置けるところもしくは人に直接送る というのがよい
とアドバイスされたそうである。
彼女はワシに言う。 「その文房具をドラムに詰めて担いで四川省まで行ってくれ」 と・・・
こりゃほんま本腰入れて行くしかないか?・・・
知り合いが現地の教育機関に受け入れを要請してくれている。 ひとりではドラムセットすらも担げないので、 隣に住んでる布衣のボーカルに 「お前らどうせヒマなんじゃろ!」 と言うことで声をかけたらふたつ返事でOKだった。
まあ生き死にの段階がすんで、 衣食住が何とかなってから初めて「教育」だろうから、 ワシらが受け入れを許可された頃は少しは復旧が進んでいると言うことじゃろうが、 おそらく宿舎はその受け入れ先の学校となったとしても、 まあワシらの住んでる環境とそんなに違わんしなあ・・・
何とか冬になる前に行かなきゃ凍死するなぁ・・・
しかし彼から中国での募金の状況を聞いてびっくりした。 なんと中国では募金をしたらその名前と金額が公表されると言うのだ。
これは募金の額を吊り上げることには貢献しているが、 自分の名前と額を村に張り出された貧民達はたまらない。 誰それはいくらだからと更に募金をするために借金をする。
とある売れっ子の女性アイドルが被災者のために献血をした。 そのことが報道されると国民全てが怒り狂ってネットで彼女を叩きまくった。
「お前、金持ちなんじゃろ!血じゃのうて金送らんかい!!」
香港のとある超売れっ子歌手が何百万(日本円で)も募金した。 しかし彼よりも金持ちの事業家は中国にはたくさんいる。
「お前、誰それはもっと募金したぞ!お前はたったそれだけか!!」
ネットで叩かれまくって彼は もう百万単位ではどうしようもないので千万単位の募金をする。 そしてそれよりもっと募金をした人が公表され、彼はもっと叩かれる。
これやったらせん方がマシなんちゃうん!!
ドラエモン募金みたいのんがこっちにもあって、 ある番号に電話をすると電話代から10元が募金として送られるのじゃが、 ワシなんかもうそれで叩かれたらと思うとドキドキよ。 そうやって病気のように毎日募金をする貧民はたくさんいると言う。
でもその金は果たしてちゃんと現地に届くのか? 届くと信じて募金するしかないのじゃが、 現実この国でのその横領は非常に問題になっている。
送られたテントが被災地ではなく受け取った幹部の庭で使われてたり、 物資の横流しは日々ネットで報道されて国民の知るところとなる。
「日本では被災地に国と社会とどっちが多く金を払う?」 変な質問を布衣のボーカルからされる。
「いや?・・・日本では国はまず絶対救済せなあかんし・・・ 全力でそれせんかったら次の政権ないし・・・ いや、中国はその政権交代自体がないし・・・」
非常に答えにくい質問だったが、彼から先にこう答える。 「中国ではなぁ。被災地に送った金はほとんどが社会、 つまり国民からの募金なんだ。 政府はオリンピックに費やすお金の数分の一しか使ってない」
被災者よりもオリンピックが大切と言うわけか? でも政府関係者はこの国では一番金持ちやぞ! 政府要人の個人資産を公表して、 彼らの個人資産からも募金させたらんかい!
先日ネットの書き込みで四川省の被災者をなじった少女が、 翌日にはその本名と住所と電話番号まで公表されて警察に保護された。 逮捕ではなく保護である。
そうじゃなきゃ間違いなく殺される・・・
ワシにも友達がいるが、中国のハッカー達の技術は物凄い。 ひとつの書き込みからその本人を特定するなんぞ朝飯前である。 奴らなら政府要人の個人資産なんぞすぐにハッキング出来るだろう。
その途端に殺されるか・・・
ドラム担いで被災地に行ったところで、 この国がそんなにすぐによくなることはあるまいが・・・
ロックで出来ることなんてほんの小さいことなのよね・・・
ファンキー末吉