ファンキー末吉とその仲間達のひとり言

----第148号----

2009年9月29日2:06

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大仕事が終わって一段落・・・と思ったら・・・

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嫁が言う。
「パパぁ、筋少が終わったら一段落するんとちゃうかったん?」

確かに筋肉少女帯のサポートは大仕事だった。
2Days全部違う曲で、40曲の非常に難しい曲をコピーせねばならない。

曲順が伝えられたのがリハの3日前、
リハの前日に一生懸命曲を聞いて譜面にする。
1曲にだいたい30分かかるので15曲しか出来なかった。

まあ初日に全曲やるはずはないと思ってその日は寝たが、
当日になってみると今度は譜面にしたその曲が叩けない。
構成はややこしいし、あらゆるところに変拍子が入ってて超難曲ばかり。
一度聞いただけなので譜面を見ても思い出せないし、
とてもじゃないけど初見で叩ける曲ではないのだ。

次の日からその日に叩けなかった曲を復習しながら次のリハの曲を譜面にせねばならない。
寝る以外は全て、いや寝てる時も筋少の曲でうなされている。

それに超速のツーバス曲もあって、物理的に叩けるかどうかもわからない。

菅沼孝三がどっかのコラムで、
「この前のライブのツーバスの曲の録音を聞いてテンポを計ったら190だった」
と自負していたが、
つまり手数王にして「190のツーバスを踏むのは至難の業だ」と言っているのである。

筋少のこの「スラッシュ禅問答」という曲はまさにテンポ190。
メトロノームで190のテンポを流しながら右手で8分音符を叩くとやっとの速さ。
左手ではついていけなくてやっとこさ。持続も出来ない。
右足も同様でとても持続出来る状態ではない。
左足に至ってはとても踏める速さではないのだ。

つまり物理的に左右の足を交互に16分音符を踏める速度ではないというわけである。

それがどうしてステージで演奏出来るのか?
それは脳内に発生する「アドレナリン」という物質の成せる技である。
だからリハでも死ぬ気で叩いてアドレナリンを出す。

肉体的にも精神的にも大変なそんな筋少のリハの合間にX.Y.Z.→AのメンバープロデュースNight、
ファンキーNightのブラス譜面を書かねばならない。
8曲のストリングス譜面を書き終わってやっとレコーディングを終えたばかりである。
ブラスの譜面は似ているようでまた違うので大変である。

睡眠不足でツーバスを踏むと脳に来る・・・

頭がバカになってるので筋少のリハに戻ってもどうも曲が覚えられない。
サポートメンバーのせいでコンサートが台無しになってしまったのでは申し訳ない。
居残り、朝練などを駆使してやっと本番に臨んだのだ。

自分としてはまだまだ不本意な部分もあったが、
筋少ファンには「ありがとう」という声援をもらい、
骨を拾うつもりで見に来た嫁も何とか合格点をくれたようだ。

しかし実はこの筋少のリハと平行してX.Y.Z.→Aのアルバムのミックスが始まっていたのだ。
遅ればせながら全てのデータを聞き直してストリングスのレベルを調整する。

アレンジをしたのが自分なので、
どこでどのパートが何を弾いているかは自分しかわからないのだ。

徹夜しながら一生懸命音量の上げ下げのデータを書く。
考えてみたら先月ストリングスのアレンジに着手してからずーっと徹夜ばっかしとるではないか・・・

そして最終ミックスが終わった。
セルフ打ち上げと称してビールを飲みながら自宅スタジオで大音量で聞く。

しかしどうしてもストリングスのレベルが気に食わない。
ある部分は飛び出して聞こえるしある部分は引っ込んで聞こえる。

仕方がないのでまた徹夜してデータを変更する。
マスタリングスタジオにはその新しいミックスを入れなければならない。
間に合わなければ「後悔」が残るだけである。

そして今日、やっとその最終作業であるマスタリングが終わった。
あとは工場に入れてプレスするだけである。

「今日はこの音源持って帰ってまたセルフ打ち上げやね」
そういうワシに沼澤が悪そうに、
「あのー・・・ファンクラブ用に発売する音源のカップリングはどうしましょう・・・」

今回は爆笑MCにしようと思っていたが、
結局そのミックスはワシがせねばならない。
しかも中国からドラムのレコーディングの仕事が来ていて、
それもとっとと終わらせてネットで送らねばならない。

「まあ今日はセルフ打ち上げして、明日ドラム録ったらミックスするわ」
そう気楽に答えるワシに
「末吉さん、明後日リハですよ。コピーお願いしますね」
と橘高。

何のリハやっけ・・・あ、もう橘高Nightか・・・

「んで?・・・俺は何曲叩くんやっけ?」
二井原Nightはいろんなドラマーが来て4曲しか叩かなかったので楽じゃったが・・・

「全曲末吉さんですよ・・・」

え?・・・

曲を聞いてみたらまたあんな難しいのやら速いのやらしんどいのやらである。
これを全曲コピーすんの?・・・

まあ40曲叩けたんじゃ。あと15曲ぐらい屁みたいなもんやないかい!!
喉元過ぎれば熱さ忘れる。
これも4日が終われば全て一段落ではないか・・・

「あのう・・・」
今度は和佐田である。
「中野の何たらっつう新曲の音源と譜面送ってくれんかのう」

中野のライブっていつやっけ?・・・

「橘高Night終わったらすぐリハですが・・・ライブは9日と10日」
譜面もワシが書くのか・・・

これが終わったら本当に一段落になるのであろうか・・・

ファンキー末吉


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