ファンキー末吉とその仲間達のひとり言

----第41号----

2001/04/26 07:20

「イビキでお悩みの方へ・・・」

いろんな広告で見るキャッチコピーであるが、
自他共に認めるイビキのひどいワシであるが、
(朝起きるとノドがガラガラなんじゃよ。一晩中叫んでるようなもんやし)
自慢じゃないが困ったことは全然ない。

同じ理論でうちの社長(太って目と目が離れているぶんワシよりイビキがひどい)は、
「外国行って言葉で困ったことは一度もないがのう・・・」
と言う。
そりゃ人が困っとるんじゃ!

無呼吸症と言うのが取り立たされて、
数年前からみんなワシに言う。
「末吉さん、マジでほんまヤバイでぇ。数秒どころか1分以上息止まっとるで」

みんなに勧められて耳鼻科に行った。
最近はいろんな機械が発明されて、無呼吸症かどうかが機械で測定出来るらしい。
ものものしげな機械をレンタルして身体に装着する。
ノドボトケあたりには音を感知するセンサーを、
そして鼻の下には息を感知するセンサーを、
そして指には血圧と脈拍を感知するセンサーを取り付けて眠りに入る。

朝起きる。
寝相の悪さでセンサーはことごとく外れている。
これでは無呼吸症どころか心臓まで止まってると検査されてしまう。
「寝ている間に外れてしまうのがこの機械の欠点なんですよねえ・・・」
看護婦さんが恥ずかしそうに言うが、
それってこの科学万能の時代にあまりと言えばあまりじゃない?・・・

次の日にまた装着して、
今度は外れないようにガシガシに固定して眠りに入る。

朝起きる。
センサー外して皮膚が真っ赤に腫れ上がるほどガシガシであった。
ついでに緊張して眠れんかったんで瞼も腫れ上がっている。

病院に持っていって検査の結果を待つ。
2週間後にもう一度行って、結果を聞く。

「無呼吸症の症状は見られませんねえ・・・」

んなんでわかるんかい!

これより先は放送禁止用語が含まれているのでラジオ等では言えなかったが、
イビキの原因となるであろういろんな検査をする。

まず大きい原因は肥満なんだそうだが、
「まずお痩せなさい」と言いかけて、「あ、そんなに太ってはいませんねえ」
次にはやはり口の中である。
最新式(これもアテにはならんが・・・)のカメラで口の中のポラを撮る。
「ははあ・・・」
先生は何かしきりに納得しながら写真をワシに見せるが、
よく見ると別に口の奥ではなく、そのまま口を開けたところの写真である。
「目でそのまま見ぃよ!」
と突っ込みたいのを押さえて話を聞く。

「まずノドチンコがちょっと人より大きいですね」
チンコが大きいのはいいが、ノドチンコが大くても何も役に立たない。
その上、寝てると気道の上に被さってイビキの原因にもなるらしい。
「それと、この部分ですね。これは口蓋弓と口内弓と言うんですが・・・」
ここで放送禁止用語だが、絵がなくこれを的確に説明する言葉がないので、
淑女のみなさんは我慢して頂きたいのだが、
いわゆるノドの穴を形成する粘膜が2枚あり、
外側と内側、言わば大陰唇と小陰唇のようなもんなのである。
通常小陰唇は大陰唇の奥に隠れているが、
ワシの口内弓は口蓋弓より大きく、
それらが張り出しているゆえに気道が狭く、
それが振動してイビキをかくのだと言う。
いわゆるワシのイビキの原因と言うのは、
チンコが大きいことと、小陰唇は大陰唇より大きいからアカンと言うわけである。

医者は冷静に俺にこう聞く。
「別に手術をする必要はありませんがどうします?」

手術してくれー・・・
あんな時代遅れの検査なんて信じられん・・・

と言うわけで、5月のツアーが終わったら入院する。
楽しいよー楽しいよー・・・

ワシは小さい頃からあまり病気をせず、
風邪などひいてうんうん唸っててても、医者に行くと「平熱」だと言われる。
入院するのが夢だったのだ。

爆風のRUNNERがヒットした後、
ベーシストだったほーじんが脱退し、このチャンスに入院させてもらった。
心労や深酒でかなりボロボロになってて、
医者に行って一生懸命それを訴える。
「ね、身体ボロボロでしょ。もう入院させて下さい」
「いや、別に悪いところは見当たりませんが・・・」
「そんなことありませんよ。どっか悪いところあるでしょ」
「いやー・・・・でも強いて言えば・・・」
「強いて言えば?・・・」
「鼻腔湾曲症とも言えますねえ・・・」
「それだ!」
「それだ!ってあなた・・・ただ鼻腔がちょっと曲がってるだけですよ」
「それだ!それが全ての元凶だったんですよ」
「いやー、これが病気を併発することはありませんけどねえ・・・
これが原因でイビキをかく人はいますが・・・」
「それだ!」

・・・と言うわけで、「末吉はイビキの手術のため入院」
と仲間内で噂されたが、結果は全然イビキは治らず今に至る。

しかし今回こそ本当のイビキの手術である。
どうなることやら・・・

さてこの手術、全身麻酔であると言う。
心配は「酒飲みは麻酔がききにくい」と言うことである。
前回の手術の時、全然麻酔が効かなかった。
「先生、全然効かないんですけど・・・」
「そうですねえ・・・じゃあもっと強いの打ちますか・・・」
突然天井の電気がピンク色に見えた。
「ほんぎゃー・・・」
「効きましたか・・・」
「効きましたかとか何とかじゃなく・・・先生・・・どえらい気持ちいいんですけど・・・」
「はあ、モルヒネですからねえ・・・そりゃトビますわなあ・・・」

かくしてワシは「もっと麻酔してくれー」を連発しながら手術室に入ったらしい・・・

それが楽しみの5月末であった・・・

ファンキー末吉


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