ファンキー末吉とその仲間達のひとり言

----第53号----

2001/12/26 (水) 19:43

長年使っていたmicrasと言うサーバーが突然ダウンした。
まる1日以上1本もMailが来ないなんておかしいと思ってたのじゃ。

大変じゃ、大変じゃ。
大急ぎで新しいアドレスを立ち上げないとマズイ!
全ての仕事をMailでやってる俺としては、
サーバーがパンクしたのでは全てが止まってしまうのじゃ・・・

と言うわけでクリスマスじゅうかかってやっと引越しが終わった。
新しいアドレスは
funky@funkycorp.jp
HPアドレスは
funkycorp.jp/funky
である。(ただ今引越し中)
みなさん、アドレス変更してね。

さてこれをパソコンに入っているアドレス全てに送信せねばならない。
数えて見たらゆうに1200を超えている。
何せもらったファンメールや、
懐かしい友人や同窓生等のメールまで全部とっといてるんだから凄い!

半日かかってやっと全部に送ったら、いろんな奴もいるもんである。
「あなたは誰ですか?」と言う返信も来た。
「お前が誰じゃ!」と言う感じである。
どうせファンだとか言いつつ俺にMailを送って忘れてしまっているのだろう。

嬉しいのは、滅多に連絡を取らない友人等から
これをきっかけに連絡が来たりすることである。

特に嬉しかったのが香港のJazzギタリスト、ユージン・パオである。
彼女(かな?奥さんかな?)と一緒に写ったX'masカードが添付されている。
五星旗の2ndでギターソロを弾いてもらって以来である。
懐かしいなあ・・・
こいつ、腕は最高なんだけど、ルックスがねえ・・・
それがこんな可愛い彼女をねえ・・・
ちょっとインドネシア系のとっても可愛い彼女と、
ニヤけることもなく、相変わらず無愛想に一緒に突っ立ってる彼と
またセッションしたくなった。

北京でいると俺はどちらかと言うとスタジオミュージシャンである。
1週間に1曲ドラムを叩けばその週は食っていけ、
1ヶ月に1曲アレンジすればその月は食っていける。
しかしセッションはと言うとなかなかそんな場はない。

最近はいろんなバーに箱バンが入っているが、
どれも酔客相手の中国歌謡か洋楽ポップスばっかでJazzと言えばごく少数である。
ロックはと言うとパンクスやハードコアバンドがアンダーグラウンドに活動している。
ハードロックなど皆無である。

来日してXYZのツアーにまわる。
俺はもはや外タレである。

昨日は大槻ケンヂ率いる特撮と一緒にやった。

前回も東京でご一緒させてもらったが、
自分らの出番が終わったら俺はJOCとの打ち合わせに出てしまい、
結局彼らのステージを見ることが出来なかった。

何でJOCことオリンピック委員会と打ち合わせをせねばならないかと言うと、
何やら北京オリンピックに向けて、
体操、新体操、スケート、シンクロナイズドスイミング
の強化合宿でドラムを叩いて欲しいと言うのだ。

この4種目だけ音楽と一緒にやるスポーツなのだが、
そのリズム感たるや最悪だと言うのだ。
「どう最悪なんですか?」
と聞くと、
「私の手拍子に合わせて、この裏で叩いて下さい」
と言うと、
真面目そうな顔をして、リズムの裏を取るのではなく、
手の裏と裏を合わせて叩くのだそうだ。

「作っとるんちゃうん!」
と言うエピソードだが、
全世界的にこのようなレベルだとおっしゃるが本当だろうか・・・

原因は教える人も体育の先生がタンバリンなどを持って教えていて、
世界的に音楽のプロがリズムと言うのを教えることはないと言うことだ。
試しにプロのドラマーに
北京オリンピックを目指すジュニア達をみっちり教えてもらおうではないか
と言うことらしいが、まことに分不相応な大役である。
まあこの1回で終わるとは思うが・・・

そんなことはどうでもよい!
昨日は特撮と一緒にやった。

久しぶりに見る大槻ケンヂに俺はびっくりした。
「奴は現役だ!」
ステージに上がって奴が一声あげた瞬間にそう思った。
「クリスマスの日にみんなのこのことこんなとこ集まって来やがって!
メリー・クリスマス!メリー・クリスマス!
キリスト教の人もメリー・クリスマス!
イスラム教の人もメリー・クリスマス!
創価学会の人は南妙法連月経!」
何を言ってるのか全然わからんが、
何を言ってても何かパワーがあって、思わず「イエー!」である。

「こいつ、現役だ!」

何だかとっても嬉しかった。
奴は俺よりはひと回り下だが、
もう30も越したミュージシャンは何か「引退」しているところがあるもんだが、
こいつはバリバリ現役を感じた。

何がかと言うとうまく言えないが、オーラが違うとでも言おうか・・・

数年前楽屋に挨拶に来た大槻を
「お前、あんな歌い方してたらそのうち歌手生命終わるぞ!」
と説教したことがあるが(俺も何ともいやなジジイである)、
そんなアドバイスを聞くこともなく、
相変わらず歌うと言うより叫ぶばっかである。
それがまたかっこいい!

叫ぶと言えば、「叫ぶ詩人の会」のドリアン助川に、
ROCOCOのアルバムのために詞を書いてもらった。
当時爆風がどんどんPOPになってゆく中、
コアのファン達が「爆風は終わった、これからは叫ぶ詩人の会だ」と言って
かなりの人間がそちらに流れた記憶がある。

「いやー、びっくりするほど売れませんでしたよ」
と本人は言うが、今さらながらアルバムを聞かせてもらって涙が出た。
当然ながら「現役」である。

「いやーねえ・・・、世の中から嫌われてる人ばっかが好きだって言うバンドだったんで・・・
世の中の人が好きなわけないんです・・・」
と本人がおっしゃるが、
それはそれはコアなバンドとして君臨してたのだろう、当時は。
思えば初期の爆風も筋肉少女帯も似たようなもんである。

ドリアン助川のとある取材の時の話・・・
「いやー、ずーっと叫ぶ詩人の会、応援してました。
その後4年間ぐらい精神病院に入院してたんですけど、
今でもずーっとドリアンさん応援してますよ」
(ドリアン、心の中で)
「あなた達みたいな人ばっかが応援してたから売れなかったんです・・・」

ひょんなことから知り合いになった暴力団の組長の話
「助川さん。今日も3軒ほどレコード屋まわって、
何じゃ!叫ぶ詩人の会を置いてないんかい!
こらぁ!店長呼んで来い!
とシメときましたから!」
(ドリアン、心の中で)
「あなた達みたいな人ばっかが応援してたから売れなかったんです・・・」

そんなことはどうでもよい。
特撮の大槻ケンヂである。
こいつに俺は自分の現役である意地を刺激された。

おかげで大阪のライブはめっちゃくちゃしんどかった。

アンコールの「イワンのバカ with 大槻ケンヂ」と、
「ラビリンス」の2曲はほんと、死ぬかと思った。
40過ぎて、テンポ180を越すツーバスは無謀である。
いつポックリ逝ってもおかしくない。

もともと手数はもうかなり上手くなってるので、
どんな速いフレーズでも別に労せずに叩けるが、
ツーバスは早い話走っているのと同じだから楽出来ないのである。

いっそのことどっかのテレビ局で、
「42.195kmフルマラソンを完走した直後に
ゴールのところに組んだステージでラビリンスを叩く」
と言うイベントでもやってくれんもんか。
そこで死んだら俺は本望である。

スタジオばっかやってたらアカン!
JOCもええけれど、音楽学校の副校長もええけれど、
雑誌のコラムも中国語関係の仕事もええけれど、
俺はいつまで現役のドラマーで生きたい!
と大槻に教えられた昨日だった。

そして今日は今から未唯さんと名古屋でライブ。
この人もまだまだ現役である。

明日はJOCの強化合宿行って、
その後は五星旗のライブ。

明後日はついに今年最後のライブとなるが、
ゲストにはVOWWAWのVo.だったGenkiが来る。
この人の歌もバリバリ現役である。
実際は引退し、定職について普段は音楽活動はしてないが、
歌うとバリバリに現役である。
名実共に日本を代表するボーカリストの一人であろう。

歌ってる時に現役だったらあとはどうでもええのよ!
俺らミュージシャンやし・・・

いやー、やっぱ日本はええ!
中国だと俺は何かちょっと偉くなり過ぎている気がするなあ・・・
いつまでも死ぬか生きるかでドラム叩いていたいもんだ。

・・・てなことを支離滅裂に考えながら今からステージである。
ポックリ逝っても後悔しないようにメルマガだけは発刊しておこう・・・

ファンキー末吉


戻る