ファンキー末吉とその仲間達のひとり言
----第73号----
2002/12/02 (月) 12:20
最近メルマガ来なくて寂しいっ!と言うMailとか、
末吉さん、最近メルマガ来ませんねえ・・・とか直接言うとか・・・
うるさいわい!と言いつつ、実は「ああ・・・楽しみにされとんやな・・・」と嬉しかったりする。
「ネタがないんですか」と言われるがその逆で、
最近はネタになることずくめなのだが逆に書くヒマがない。
まあ遊んでんですけどね・・・
変な楽しみを覚えた。
いわゆる旅行なのであるが、中国の国内航空運賃はかなり安いことを発見!
思えば日本の航空運賃は高すぎる。
ワシなんぞ北京に来るのはパキスタン航空とか激安航空チケットで来るが、
だいたい往復5万円以内で来るが、
高知の実家に帰ろうと思うと正規料金でヘタすると北京往復より高い!
ところが中国と来たら例えば上海まで飛行機で2時間、800元(およそ1万2千円)!
沖縄行くぐらいの距離でこの値段でっせ。
香港までは国際運賃になるので高いが、
隣町の深センまでやはり800元(およそ1万2千円)!
そこからバスに乗ってそのまま香港に行ける。110元(およそ1600円)
成田のリムジンバスよりも安いのよ。
放浪癖のあるワシは
こうやって思い立ったらふらっと別の土地に遊びに行けるが非常に嬉しい。
帰りは時間が許せば列車に乗って帰る。
上海からは一晩寝台車に乗って300元(5000円足らず)。
香港からでも27時間かかるが1万円足らずで帰って来れる。
ワシ・・・腰が弱いもんで座って帰るより寝て帰れる方が楽なのよ・・・
まあ旅行と言っても観光をするわけではない。
友達訪ねて言って飲むだけなのだが、
先日は上海、そのままふらっと香港行って、そのまま北京から東京に帰った。
バッテリーが延々と持つのなら移動中にメルマガも書けるのじゃが・・・
そうだ、パソコンの予備バッテリーを買おう!
そしたら飛行機の中でも列車の中でも、酔いつぶれるだけではなくメルマガが書けるぞ!
仕事でもないのにそこまでやるか・・・
ところで先日はBOWWOWの山本恭司さんが北京に来て、
三日三晩ギターの弾き倒して帰った。
あんなにセッション好きな人知らんわ・・・
おりしも同じ時期に香港からWINGが来てたので、
ヤツに数曲ドラムを叩かせて観客となったが、
いやー・・・これって一緒にやってるより見てた方が楽しいんちゃうん!
まるでサーカスでっせ・・・
恭司さんが帰国して、なんかそのままレコーディングの嵐で、
その時にレコーディングしたこちらの歌手のアルバムが次々と発売され、
今はその歌手の新曲発表ライブのバックに狩り出される。
韓紅と言うえらい歌のうまい太ったシンガーソングライターのおばちゃん(失礼!)がいる。
こちらでは知らない人はいないほどの国民的スターである。
先日のWING来日の時にも彼女のヒット曲「家郷」をカバーして歌ってたり、
まさかそのオリジナルを日本から帰って来てすぐ演奏することとなるとは思わなかった。
「オマミマミメミホン」・・・チベット語で「皆に幸あれ祝福あれ」と歌うこの曲、
WINGは原曲とはうって変わってロック調にアレンジしていて、
東京でのライブでは山本恭司さんも乱入してギターソロを引き倒した。
ワシなんて恭司さんにこの曲
「ピンクフロイドのロッカバラードみたいなもんですから」
と説明してたのに、原曲ってこんなしっとりした曲なのね・・・
チベット族である彼女、
「あの人はロックだよ」とミュージシャン仲間から噂を聞いてはいたが、
ステージではいきなりメンバー紹介でソロ回しをやらされ、
いかにもバンド好きと言った感じである。
新曲発表記者会見ライブであるこのコンサートは非常に盛り上がり、
数日たった先日、いきなり「メシを食おう」と呼び出された。
おりしもその瞬間、ワシは若いミュージシャン達と鍋をつついていたが、
こんな大御所から直々に呼び出されたのでは晩飯のハシゴぐらいせざるを得ない。
遅れて着いたら場は酒盛りで盛り上がっていて、
ビールはひとしきり終わっていて
焼肉をばかばか食いながら白酒と言う50度を超えるチャイニーズウォッカを飲んでいる。
これ・・・キツいのよ・・・
中国に初めて来た時にロックバンドにこの白酒の洗礼を受けた。
吐いては飲み、飲んでは吐き・・・
今では飲まなくても匂いだけで吐く・・・
「白酒ね。いいでしょ!飲みましょ!」
気合を入れて飲もうとすると、プロデューサーのLuanShuがワシを止めた。
「この人の酒量に合わせてると・・・死ぬよ・・・」
見ればこの人・・・白酒をがんがん煽りながらチェイサーでビールを飲む。
楽しくなれば大声でチベットの歌を歌い、
タバコは吸うし、ノドの悪いでぇ・・・
そのまま「カラオケに行こう」と言う彼女を「明日があるんだから」とみんなで押し留めて、
みんなでLuanShuのスタジオに来て、
発売したばかりの新譜を大音量で聞きながら、机は叩くわ歌は歌うわ・・・
この人・・・ほんまにファンキーやわ・・・
まあここまで太ってるんだから別にダイエット気にする必要もないし、
ノドもきっと強いんだろうから酒やタバコを気にする必要もないし、
好きな音楽やって好きに生きて、歌って騒いで・・・
このおばはん・・・むちゃくちゃかっこええやん・・・
いっぺんで好きになってしもた・・・
「こんどチベットでライブやるから来いよ!」
と言われて二つ返事で引き受けてたら、あーた!
チベットって平均で標高4000メートル。
富士山の頂上でライブやるようなもんである。
ドラマーはいつもふたり用意して、
ひとりが高山病で倒れたらもうひとりが叩くと言う。
「ほなワシ・・・今からちょっと身体鍛えて健康的な生活を心がけます・・・」
と殊勝なワシに罵倒が飛ぶ。
「アホか!健康的な順に倒れるんやで。不健康なヤツほどピンピンしてるがな」
これがチベット・・・
ほなワシ・・・酒飲んでタバコ吸うて、ファンキーに生きることにしますぅ・・・
実は先日WING来日のツアーで、
彼に付き合って少しだけベジタリアン生活をしてみた。
彼は10年前黄家駒が死んだ時から牛肉をやめ、
数年前から肉食全般を絶った。
仏教の教えによるようなのだが、
いわゆる肉だけでなく魚肉もだめなので食事は大変である。
卵や乳製品はいいらしく、その分楽だったが、
先日完全ベジタリアンの台湾人が来た時は本当に大変だった。
ラーメンのスープが豚骨や鶏がらであるだけでNGなんだからほんと、食べるものがない。
だから何を食う?・・・結局「主食」が主になってくるのよね・・・穀物とか・・・
だから太るのよね・・・
「ベジタリアンになって何かいいことあんの?」
彼にそう聞いたことがあるが、
「うん、容易にかんしゃくを起こしたりしなくなって心がおだやかになるよ」
ほう・・・動物的に肉食ではなく草食動物になるのでそう言う変化はあるようだ・・・
ワシも時々かんしゃく起こして事務所やめたり大事になったりするので、
しばしヤツに付き合ってみようとばかり、
先日のWINGの歓迎ファンクラブパーティーで、
WINGの気持ちになって揚げ出し豆腐とか、
しかもひき肉はよけてそんなんばっかり食ってて、
「いやー・・・食った食った・・・満腹!」
と言いながら、隣の唐揚とかタラバガニについ目がいってしまう。
満腹の上に更に食うんだからやっぱ・・・太るわなあ・・・
WING来日は怒涛のスケジュールで、
まあ彼の身の回りにもいろいろ不幸なこともあったし、
忙しくしてるとそんなことも忘れて精神状態がいいと香港の友人から聞いていたので、
それはそれは朝から晩までびっちりスケジュール埋めたら、
付き添っているワシの方が潰れてしまった・・・。
寝るヒマもなくヘトヘトで・・・それでも太ったワシ・・・
いやー・・・それにしても彼が歌うBEYONDの曲には涙が誘われる。
特に「遥かなる想い」。
黄家駒の遺作となったこの曲が、同じメンバーによって歌われ、
何の因果かこのワシがドラムを叩いている・・・
感激もんである。
ワシ・・・香港遊びに行ったとき、彼にお願いしたのよ。
この曲歌ってって・・・
東京ではXYZの和佐田達彦や、五星旗の千葉”団長”孝などがバックをしてくれたが、
神戸では三井はんのバンド、まんにゃわズがバックをやってくれた。
譜面を渡して指示をして、
そしたら初めての曲でもそつなく弾いてくれる。
大したもんである。
何か聞くところによると、
BBキングやチャックベリーはツアーに廻る時にバンドを連れて行かないらしい。
現地現地のバンドに演奏させ、下手をするとリハーサルもやらないらしい。
ミュージシャンが間違えようものなら
「ボケェ!お前は俺の曲も知らんのか!」
と一喝したと言う噂もある。
なんか演歌の世界でも、キャバレーとか廻る時、
バンマスひとりが先に行って現地のキャバレーバンドと打ち合わせをし、
歌手は段取りの出来上がった本番だけ入って歌うと言う噂である。
ワシ・・・さしずめそのバンマスの役ね・・・
何かこのやり方、効率がいいし、バンマス次第ではクオリティーも保てるので、
今度12月20日にWINGが北京でやる時にもワシ・・・やらされるようである・・・
中国で流行ったらどうしよう・・・
ま、彼の大陸での数多いライブに、
現地現地に先乗りして、バンド仕切って旅をするのも悪くない。
これもまた楽しい人生かな・・・
でもWINGと一緒にまわる時にはこんな生活で、
韓紅と廻る時には飲めや食えやの生活ですかぁ・・・
まあ楽しければそれでええんですが・・・
かたやストイックなベジタリアン、
かたや食えや飲めや歌えやのチベット人。
このふたりが同じ曲を歌ってるんやからおもろいなあ・・・
オマミマミメミホン!
皆に幸あれ祝福あれ!
ファンキー末吉