ファンキー末吉とその仲間達のひとり言
----第9号----
世界的に有名な和太鼓を中心としたパフォーマンス集団
「鬼太鼓座」
の皆々様が、わざわざ不肖私めに会いたいと熱海から出て来てくれた。
「太鼓とは走ることと見つけたり!」・・・とばかり、
アメリカでボストンマラソンを完走してそのまま舞台に駆け上り大太鼓を演奏する
と言う劇的なデビューを飾った彼ら。
(なんと座長は女性。しかもかなり美人!)
カーネギーホールを皮切りにニューヨークを出発、
アメリカを走って一周してツアーし、
同ホールでの1万5千キロ完走記念コンサートを行った。
現在は上海から香港、そして昆明へと続き、
北京を経て上海に帰る「中国大陸一周完走公演」を決行中。
その道すがら読んだ私の著書「大陸ロック漂流記」に感激して、
座長自らが座員を率いて私めに会いに来てくれたのである。
その心意気にいたく感じ入り、
夕べ新幹線の終電に飛び乗り、彼らの合宿所のある熱海まで来た。
そして朝6時半からの彼らの日課である10Kmの走りこみに付き合ったら・・・・
・・・わしゃもう、足腰立たん!
奴ら、バケモンじゃ・・・
さてボロオロの身体にて熱海より今回のお題
「私とラウドネス」
まずは冒頭ネタにみの吉の独り言を・・・
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みの吉和尚のひとり言
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みの吉和尚とは・・・・
日本人、いやアジア人が初めてアメリカで大成功を収めたハードロックバンド
「ラウドネス」
のボーカルとして、
当時は
「アメリカのハイスクールで今一番流行っていることは何?」
と言う質問に
「ラウドネスの変な英語をマネて歌うこと」
とまで言わしめた、
二井原実のペンネーム。
「アメリカ人は日本製の車に乗り、
日本製のカーステレオで、
日本のハードロックバンドの音楽を聞く」
と大パッシングを受けたその張本人は実はただのアホやった。
「お前英語で喋っててもこんなにアホなんか」
と言う質問に
「自慢やないけどなあ、
バンヘイレンも、モトリークルーも、AC/DCも、
みーんな俺のことアホやと思てるで」
と答えた男。
こんな日本の恥を世界に送り出したのは誰じゃ!
文責:ファンキー末吉
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みの吉11月22日分
OH〜〜〜〜〜〜YEAH!!!
今回は「禿げメール」に来た質問にお答えします。
>疑問点として、XYZのLAレコーディングの費用は自腹をきって払ったのですか?
自腹ではありませんが借金をしてます。
>なぜ和佐田さんは「サポート」扱いなのですか?沢田泰司さんが入れば客は増えると思
>います。
彼は別のマネージメント会社に所属していてその関係です。沢田さんが入れば客が
増えるかどうかはやってみないと分りませんが、現実はそんなに甘くありません。
1+1=2になら無いところがこのSHOW BIZの世界なのです。
>髪はもう伸ばすことはもう無いのですか?ラウドのメンバーはほとんど短髪ですね。
将来の事は誰にも分りません。伸ばす髪の毛があればの話ですが・・・
>ライヴといえば、僕は名古屋在住なんですけど他県とくらべてどうですか?
非常に熱血ファンの多いところです。
>今のラウドネスは何をやっているのでしょうか?やっぱり彼らが1番好きです。
さ〜〜〜?分りません。元気でしょう。XYZが一番になれるように頑張ります。
>ON THE PROWLとかに収録の英語VERSIONは本当に二井原さんの作詞なのですか?
著作権の規約上オリジナル作家がいつもクレジットされます。あのアルバムの英詞
に関しては関知してません。
>タイトルわからないんですが(すみません)
>「もしもかーみさーまが〜〜〜」の曲がお気に入りで
>携帯のアラーム音にしてます。
MIRACLEです。
>末吉さんが中国好きなのはわかるけど、XYZではそればかり強調してほしくないです。
そんなに強調してるかな?そうであっても、強調して不都合ある?
>バンドが解散したり、あるいはバンドから脱退した場合、ボーカリストの方々は、
>たいていソロ活動に移ります。でも二井原さんは、バンドを組んでいらっしゃいます。
>二井原さんのに、バンドに対するこだわりがあるのでしょうか。
バンドが一番楽しい!!!ソロで出来る程才能ありません。(涙)
>最近若者の間で、流行っているトランス音楽の野外コンサート会場で、
>観客の何割は、大麻を吸っているといも
>ので、大麻らしきものを,吸ってる映像もありました。
>コンサート会場で大麻を吸ったことのある若者へのインタビューもありました。
>そういうことに対してどう思いますか?意見を聞かせてもらえたら幸いです。
阿呆やと思います。逮捕でもされないかぎり目が醒めないのでしょうな。
>XYZのアルバムは12月発売ときいたけど本当ですか?
本当です。12/3です。
>それから、髪は長い方が、もっともっとすてきです。
>あと、もう少し、痩せてください。(ちょっと下がったチャックが気になりました)
>お腹が出ているのは、ロックしてるのに、よくないと思う。ファンとしては、厳しいこ
>とも、あえて言わせていただきます。
肝に命じます。
>ファンクラブ入ります。でもSLYMANIAみたいに突然なくなったりしないか心配です。
心配無用。がんばります。
>SLYは一年後に本当に再始動するのですか?
しないです。
>なぜ徳島とかに行って広島にはこなかったのですか?
12月のツアーには行きます。是非来てください。
>EUROBOUNDSを見たのでその感想をかきます。LOUDNESSが外国であん
>なに人気があったとはおもいませんでした。最後のLOUDNESSをどこかの公園み
>たいなとこでやっていますが、あれはどこなのですか。
僕の記憶ではイギリスのロンドンの郊外だったと思います。すぐ近所にはピンクフ
ロイドの『ピッグ』のジャケットにあった煙突がありました。
>ビデオを出してほしいです。XYZの本領はライブにあるとおもうので。
かなりヤバい海賊版ヴィデオを製作中です。ウルトラ生ライヴ炸裂です!!
>アースシェイカーのゲストの感想などあればいいなぁ。
ひさしぶりに大勢の前でやった。XYZの面々は皆武道館クラスでやってた人達なの
で全く心配はなかった。アースシェイカーにはああ言う機会を与えてくれたことに対
して感謝しています。彼等も一過性の物ではなくあれをスタートに正式に復活してほ
しいですね。
>キ−ボ−ドがいないと難しいとは思うけどロックンロ−ルジプシ−をやってほしいす。
考えておきます。
>だいぶ・・・老けましたね・・・・
お互い様です。(笑)
> Could you tell me the origin/story of what "MZA" is?
My Zebra Ass.(Haha!)
>稲葉浩志さんの音楽の原点は二井原さんだそうです。
>でも年はあまりかわらないんですよね。
でも貯金残高は段違いです。(涙)
>北海道で、いや、函館でライブをお願いしますっっ
是非やりましょう!宣伝してや!
>弟さんは今なにをしてらっしゃるんですか?
>将来の夢通りに既に「天皇陛下」になられたのでしょうか?!
御公務が忙しくって・・・
>広島ネオポリスはかなりきたないライブハウスですが、がっかりしないでくださいね。
はい。覚悟して行きます。
>今、ラウドネスのCDをあさってるんですが、
>ニ井原さんのオススメってなんなんでしょうか?
DISILLUSION,HURICAN EYES,THUNDER IN THE EAST,
>XYZではラウドネスの曲はすべて日本語詞なのですか?僕は英語で歌ってほしいです。
曲とその日の気分で英語でも歌ってます。歌詞を忘れると突然英詞になる。(爆笑)
>100本ライブが終ったらXYZはどうなるのですか?爆風との兼合いは大丈夫なのでか?
ファンキーさんに直接聞いてください。
>もうすぐCD発売ですねー予約したほうがいいですかねー(本人に聞く事か!)
まだやっとらんのか〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!(怒)予約したら良いに決まっトル!
大至急CD店に走りなさい!!わしらの将来に関わる事ですよ!(笑)
ふ〜〜〜つかれた!
みの吉
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1999年現在における「ファンキー末吉のラウドネス考」
ラウドネスと俺との接点は、
爆風スランプのデビューシングル、「たいやきやいた」のライブでの口上であった。
「アクションはジジイだぁ!
ラウドネスは天狗だぁ!
44マグナムはバカだぁ!」
こんな風にライブの度にこの曲の前口上で、
会ったこともないバンドを罵倒してたんだから考えてみたら恐ろしい。
(またこれがとてつもなくウケるんだからやめられない・・・)
しかしはっきり言って、当時のハードロック・ヘビーメタル勢は怖かった。
ルックスもひたすら怖かった。
でもライブでこれを言うと必ずウケるもんだから、
今さらこれをやめるわけにもいかず、
かと言って、臆病な俺としては、
当時「関西ヘビーメタルブーム」の全てを敵にまわして喧嘩をする勇気もなかった。
結果的には得意の「酒で巻き込む」戦略に出て、
各バンドのメンバー達を訪ねては酒を飲み、
「友達だからいいだろ」
に持ち込むしか、時の俺としては「生命を存在させる術」はなかったのではあるが、
そんな当時のヘビメタバンドの中でも、
「爆風の末吉っつう奴から酒に誘われたらとりあえず断れ。
必ず朝までになって身体がもたんぞ」
と噂になってたと後に聞いた。
ちなみに被害者は、
当時近所(西小山)に住んでた
マーくん(ラウドネス)
ロジャー(X-ray)
ジョー(44マグナム)
本間くん(フラットバッカー)
等数限りない。
さて今一緒にバンドをやってる二井原実との初対面は、
どっかの会場での爆風スランプのコンサートだと聞く。
(すまん、二井原はそう言うが、俺は覚えとらんのじゃ)
いきなり「ライブに来てくれ」と言われて行ってみたら、
「ラウドネスは天狗だぁ!」かい!
と彼は言ってたが、
いつのどこのライブに招待したかも今となっては記憶の彼方ではある。
そして俺たちはアホウな飲み友達となった。
そんなある日、
すでにアメリカに渡って大きな成功をおさめていた飲み友達
「二井原実」と再会したのはとあるテレビの歌番組であった。
「アメリカからゲストのラウドネスです!」
と司会者から紹介される彼らが正直言ってうっとおしかった。
「なんじゃ、偉そうに・・・」
と妬ましく思ってた。
また当時俺は、お恥ずかしながらラウドネスの曲と言うのを1曲も知らなかった。
そのくせいつも、
「俺の方が数倍巧いやんけ!」
と思ってたりして始末に終えない。
早い話、「アメリカで成功した」と言う噂だけしか知らず、
彼らを尊敬する要素も情報もまるで持たなかったのだから仕方がない。
「あいつら、うまいことやりおって」
もともとNYに渡ってJazzミュージシャンになりたかったこのドラマーにとっては、
ラウドネスと言うのはそのぐらいしか思ってない存在であった。
数年前マレーシアにラジオの取材に行った。
TOP10に入っている「スローロック」と呼ばれるジャンル
(いわゆる「ロックバンド」ではあるが、バラードをリーディングソングとして代表作としている)
のバンド数組にインタビューをした時、
「影響を受けたミュージシャンは?」
と言う質問に対して、
全てが全て「ラウドネス」と答えたのはショックだった。
「やっぱりあいつらって凄かったのかなあ・・・」
などと殊勝な気持ちになってきたりもした。
また自分が中国と言うとてつもなく大きな世界に単身飛び出して行って、
初めて日本人が外国で勝負することのしんどさがわかったと言うのもある。
二井原がある日こんなこと言っていた。
「いやー、最初は英語も喋れんでなあ・・・
レコーディングなんかマグレ狙うしかないねん。
これは完璧やろ、思たら、
Hey Mick! 今のはニューオリンズ訛りだぜ。
ロックはLA訛りじゃないとダメだぜ!
と言われた日にゃああんた、
もうマグレ狙って1曲で3日間かかりましたがな」
ラウドネスの全米ツアーの話を聞いた。
「もうあんた!
ライブ終わったらツアーバスに詰め込まれて、
目が覚めたらインタビューやし、
あれよあれよと言う間にライブやし、
ライブ終わったらまたツアーバスに詰め込まれて・・・」
「そいでそれがどのくらい続くの?」
「1ヶ月以上は毎日やで」
アメリカは広いなあ・・・
二井原から「SLYが活動を停止した」との相談のMailが来た。
「ボーカリストとしては今声も一番太くなって一番おいしい時期なのに、
この国では俺みたいなタイプのボーカリストは必要とされてないんかのう・・・」
そんな弱気な発言に俺はかちんと来た。
「お前は、今だに日本のシンガーが誰も成し遂げることが出来てない世界進出
をやれた唯一のボーカリストやないかい!」
その時に俺は話のついでに「中国語でも歌うつもりはあるか?」と聞いた。
ヨーロッパの各言語でリーディングソングを歌いなおすハードロックバンドも多いと言うのに、
ここ日本の大部分の歌手達だけはかたくなに日本語で押し通そうとする。
「レコーディング時間死ぬほどかかるけど、それでよかったら別にええでぇ。
早い話、あん時と一緒や」
と言うわけで、俺の持ってるアジアの地盤と、
二井原の持ってる欧米の地盤と、
足して「世界じゃ」・・・
・・・と机上の空論がそのまままかり通れば楽なのであるが、
かくして世界を狙った新バンド、X.Y.Z.は結成された。
「ライブでラウドネスの曲やりたいんやけど・・・」
二井原がそう持ちかけて来た。
彼曰く、
「俺なぁ、プラント&ペイジのライブ見に行っても、
ツェッペリンのナンバーやってくれんかなあ・・・
と思いながら見てる自分に気がついたんや。
俺かてラウドネス時代の曲を歌いたいといつも思ってた。
ファンかてきっとそれを期待してる気持ちはあると思う。
もしX.Y.Z.のメンバーみんながええと思うんやったら、
ラウドネスの曲もライブでやりたいと思うんやけどなあ・・・」
「ほな曲聞かせてや」
かくして俺は生まれて初めてラウドネスの曲をちゃんと聞いた。
感想を一言で言わせてもらえば「すんげーバンド」の一言だった。
今のラウドネスは聞いたこともないのでノーコメント、
別れた各メンバーについても情報はないのでノーコメント。
だが、俺の聞いた彼らのどのCDにも、
「俺達は世界に行くんじゃ!」
と言う勢いが溢れてて、
「これぞバンドじゃ。
これぞロックじゃ!」
と嬉しくなってくる。
やっぱり彼らは凄かったのである。
この勢いが彼らを世界にのし上げて行ったのでる。
・・・と言うわけで、
今現在、俺は彼らのナンバーをリスペクトを込めてコピーさせて頂いている。
(でも俺にしてみれば、
橘高くんの書いて来た曲であろうが、
タッカンの書いて来た曲であろうが感覚は同じなのであるが・・・)
ライブでやってて楽しいよ。
もう自分らのレパートリーみたいになっとる。
俺達も当時の彼らのように
「俺ら世界に出ちゃる!」
と言う気持ちを込めて演奏しとる。
世界はええでぇ。
広いでぇ。
鬼太鼓座の人たちも言うとった。
でも二井原でよかったなあ・・・
もしあいつがおらんかったらきっと今ごろ、
鬼太鼓座の人たちと一緒に世界中走りながら太鼓叩いとるに違いない。
身体持ちまっしぇーん!
(年とるとこの痛み、数日後に来ると言う・・・・)
鬼太鼓座、おそるべし・・・